◆後述の手押しポンプ、電動ポンプが発明される以前、人々は掘り井戸に縄でくくり付けた木桶を井戸の中に投げ入れ井戸水をくみ上げていた。これを釣瓶(つるべ)井戸と言う。釣瓶とは、井戸において、水をくみ上げる際に利用される、綱等を取り付けた桶などの容器を言い、後にそれを引き上げる天秤状の釣瓶竿や滑車などの機構の一切を指すようになった。◆(引用: ja.wikipedia.org/wiki/より)

◆現在井戸から地下水を汲み上げるための道具として、発明順に大きく分類して、手押しポンプ(俗に、ガチャポンとも言う)、電動浅井戸ポンプ、電動深井戸ジェットポンプ、水中ポンプなどがある。その他、エアコンプレッサー(圧縮空気を送る機械)を使って地下水を地上に押し上げるやり方もある。◆

(手押しポンプ)

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※Force rod(ハンドル)、Piston rod(棒ピストン)、Water outlet(地下水吐出口)、Cylinder(シリンダー)、Piston(ピストン)、Check valve(吸い込み弁<上>、閉じ吐出弁<下>)、Sealing O-ring(パケット)、Water suction line(吸い込み管)、Water(地下水)※

シリンダー内をピストン、パケット、あるいは棒ピストンが上下に往復運動を行なって、あるいは隔壁に旋動を与えて、低所にある水を吸い上げるものである。

ハンドルを人力によって上下すると、シリンダー内のパケットに往復運動が与えられ、パケットが降下すると、水のたまりから立ち上がる吸い込み管の上端にある吸い込み弁が閉じてパケットの吐出弁が開く。

最初はパケットの上下運動で吸い込み管とシリンダー内の空気が排出され真空状態に近くなるから、水のたまりの水面に作用される大気圧によって水は吸い込み管内に上昇し、パケットがシリンダーの下端から上昇運動を行なうとき吸い込み弁が開き水はシリンダー内に入る。パケットがシリンダーの上端から下降運動を行う時には、吸い込み弁は閉じ吐出弁が開きシリンダー内の水は吐出弁の上に来るから、次の上昇運動のときパケットの上面の水は吐出口から吐出され、それとともに吸い込み弁は開き吸水が行なわれる。

浅井戸用ポンプでは、大気圧によって井戸水を吸上げる。ハンドルに連結されたピストンは本体内部を真空状態にする。そして、大気圧によって水が吸い上げられ、シリンダー内部に入ってくる。すなわち、理論上大気圧である1気圧分の10メートルまで汲み上げることができる。実用上は、吸込揚程は最大7-8メートルまでである。ただし、ハンドルが短い小型ポンプでは、揚水パイプ内の水の重さに耐えて跳ね上がりなく安全にスムーズに汲み上げるには2-5メートルが最大である。

打込み井戸(直径5センチ程の鉄管を地下に打ち込んだ井戸)では不可能だが、掘り井戸では、深井戸用手押しポンプに改造できる。その方法は、中間シリンダーを使う方式と水中シリンダーを使う方式がある。

大正時代からから、昇進ポンプと呼ばれる手押しポンプが広島(津田式ポンプ製作所)で作られ、また名古屋地区にてガチャポンと呼ばれる手押しポンプが鋳造量産され始めた。昭和十数年頃から、各家庭の台所や裏庭に普及させるために開発し、現在の戦後主流になったTB式自在口共柄ポンプ(東邦工業製)が現れた。特に昭和30年代後半、水道普及するまでは、日本中のどこの家でも見られた。

その後、次第に電動井戸ポンプに置き換わり、さらに、水道の普及によって、一般家庭では井戸が使用されなくなり、農事以外ではあまり見かけなくなった。しかしながら、阪神・淡路大震災以降、災害時の生活用水・雑用水の確保に大いに役立ち見直されるようになり、各自治体によって災害手押しポンプ井戸登録も行われている。公園公共施設にも多く設置されるようになった。 (出典、ソース: ja.wikipedia.org/より)

(浅井戸電動ポンプ)

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地表から井戸水面までの高さが最深-7~8メートルまでの井戸に使われ、地上に設置する電動ポンプのことを言います。地上のポンプ本体(モーター、小さい圧力タンク、制御盤からなる)に塩ビ管一本接続しそれを井戸内に挿入、その塩ビ管の先端から地下水が地上まで上がってきます。手押しポンプと同じ「吸い上げ」の原理が利用されているもので、手動で地下水を揚げるかモーターの力で揚水するかの違いです。モーターの大きさによってまた吸い上げ水位によって変わるが、毎分10~40リットル位の地下水を吸い上げることができます。

(電動深井戸ジェットポンプ)

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井戸の水面がー8メートルを超えると、浅井戸電動ポンプでは地下水を地上まで吸い上げられなくなります。ジェットと呼ばれる特殊な部品を2本の塩ビ管の先端に取り付けた後、そのパイプを井戸の中に入れ地上部のモーター部本体に接続して地下水を吸い上げる仕組みである。一方の塩ビ管を吸い上げ管、他方を圧力管と言い、2本のパイプを水で満たした(呼び水と言う)後(パイプ内を真空状態にする)、モーターを始動、圧力管内の水が勢いよくジェット部に噴射され、その圧力で吸上げ管を通して地下水が地上まで送られる。-30メートルまでの深さの地下水を取水できる。吸い上げ能力は、毎分5~30リットルほどである。深井戸ジェットポンプは単相100ボルトの水中ポンプに取って代わられる傾向にある。故障が多いことと、ジェットポンプと同じ出力のモーターの水中ポンプは毎分50~70リットルの吸い上げ能力をもっているからです。

(水中ポンプ)

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羽根車をケーシング内でまわし、遠心力の作用で水に圧力速度の両エネルギーを与えて揚水するポンプ

モーター内蔵の円筒型のポンプで、それを井戸パイプの中に直接入れて、地下水、温泉水を吸い上げる。井戸パイプの径(Ø100,150,200,250,300,350,400ミリ)、モーターの出力(単相100ボルトは250~600ワット、三相200ボルトは0,75~90キロワット)によって多種多様の機種がある。家庭用井戸から温泉井まで、様々な井戸の揚水に使われている。吸い上げ能力は毎分20リットルから毎分6.5トン(㎥)まで雲泥の違いがある。地下-340メートルからの地下水、温泉水を吸い上げることができる機種もある。自動運転するための制御方法には、圧力タンク方式、受水槽方式がある。