私たちが利用している井戸水(地下水)は帯水層(英語でaquifer、ラテン語で水を湛えた)から由来する。帯水層とは、水で飽和した、砂層、礫層などの多孔質浸透性の未固結地層、または割れ目を有した砂岩、礫岩、稀に玄武岩、分散した溶岩が重なり合った火成岩層、あるいは多孔質、空洞のある石灰岩の層のことである。
帯水層には大きく分けて二つの種類の帯水層に分類される。下図を使って説明していきます。
※(1)帯水層 (2)難不透水層 (3)水で飽和されていない層 (4)地下水面 (5)被圧帯水層 (6)不圧帯水層 ‘(7) 所謂深井戸 (8)所謂浅井戸 (9)自噴井※
■(7)所謂深井戸 (8)所謂浅井戸、と表記した理由は、大多数の井戸掘削業者のサイトを拝見すると、単純に20mから30mまでの深度が浅い井戸を浅井戸、それ以上の比較的深く掘られた井戸を深井戸と書いているからです。学問的、実際的に間違った認識です。■
Q&Aでも言及しているように、図(8)の短く見える井戸が(6)の不圧帯水層の地下水面付近から取水した井戸です。一般に浅井戸と呼ばれている井戸である。(6)の不圧帯水層は(2)の難不透水層の上に存在し、地表からの浸透水(降水が地下水面まで浸透)や付近の井戸からの揚水の影響を受ける自由地下水面を有する帯水層である。
(5)の被圧帯水層は上下を粘土層、シルト層、岩盤などの(2)の難不透水層に挟まれており、その層(砂、礫、割れ目を有した岩盤など)の中に含まれている地下水(山に降った雨、雪が地下に浸透し、平野部に向かってゆっくり下降移動する)が圧力を受け、その上部の(6)の不圧帯水層よりも圧力が高い状態を保っている。被圧帯水層の地下水を吸い上げるために造った井戸を一般に深井戸と呼ぶ。
まとめ
◆帯水層→不圧帯水層と被圧帯水層がある◆
不圧帯水層内にある地下水を取水する井戸を浅井戸、被圧帯水層内にある地下水を取水する井戸を深井戸と一般に呼ばれている
井戸をもつならできるだけ深く掘り、被圧帯水層からの地下水を取水すれば、汚染されていない良質で水量豊かな井戸水を利用することができます。